「迷子の星の歌 (Maigo no Hoshi no Uta)」
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I. 霧の中の目覚め
街「ルミナ」はまだ目覚めつつあり、古い石畳と色とりどりの家々のファサードの間を舞う黄金の霧に包まれていた。狭く曲がりくねった路地は、朝のそよ風に乗って忘れられた秘密をささやいているようだった。その夢と石の迷宮の真ん中で、ヴァレンティーナは目を開けた。
彼女はもはや自分自身ではなかった。
廃れた店の曇った窓に映る自分の姿は、変貌を遂げていた。普段は控えめな髪が、太陽の最初の光線で染められたかのように、金色とピンクのカールの滝になっていた。そしてそのドレス……天の乙女のような白と紫のドレスは、リボンとレースで飾られ、光の糸で織られたかのようだった。頭には小さなベル付きの帽子が乗っており、紫と金色で、まるで自らの命を持っているかのように揺れていた。
「あなたはいったい誰、シェリル・ノーム?」彼女はドレスの不思議な布地に触れながら、つぶやいた。
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II. 輝く真珠のメロディ
ヴァレンティーナ——いや、シェリルと彼女の心の中の遠い声がささやく——は、湿った石畳の上をためらいながら一歩踏み出した。動き一つ一つが、彼女が決して学んだことのない踊りを体が覚えているかのようだった。ルミナの路地はもはや彼女の子供時代のものではなく、街自体が呼吸しているかのように伸び縮みしていた。
突然、メロディが彼女を包み込んだ。
それはどこからともなく、そしてどこにでもあるかのように響き渡り、空気を振動させ、ドレスのひだに隠された真珠を輝かせた。彼女の周りの花——ピンクのチューリップ、ポピー、ボタン——は一瞬で咲き誇り、音楽が呪文であるかのように。シェリルが手を上げると、輝く真珠——彼女の周りを舞う小さな光の球体——は彼女の呼びかけに応えた。それらは渦を巻き、空中に模様を描き、街全体が息を呑んだように見えた。
「あなたは収穫人よ」背後の影がささやいた。
シェリルは振り返った。霧の中に半分隠れた姿が立っていた:黒いコートを着た男で、目は流れ星のように輝いていた。
「あなたは失われた夢、忘れられたメロディを集めるの。あなたなしでは、ルミナは消え去る。」
シェリル——ヴァレンティーナ——は心臓が激しく打つのを感じた。「でも……どうやって?」
男は謎めいた笑みを浮かべた。「わかるようになる。聞きなさい。」
そして彼は消え、星の軌跡を残した。
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III. 記憶の橋
シェリルは今、メロディに導かれ、より自信を持って歩いていた。彼女は古い石橋の前に立った。その橋はツタと野生の花で覆われていた。向こう側には、純粋な光でできたかのような金色の扉が輝いていた。
「記憶の橋」彼女はつぶやいた。
その敷居を越えると、彼女はビジョンに圧倒された:ポピー畑で笑う子供たち、桜の木の下でキスをする恋人たち、ガラスと風でできた楽器を演奏する音楽家たち。それぞれの記憶は一つの音符であり、シェリルは今、理解した——彼女はそれらを集め、忘却の彼方に消えるのを防ぐためにここにいるのだ。
しかし、突然影が場を覆った。
霧と沈黙でできた怪物が進み出て、記憶を一つ一つ飲み込んでいった。「お前はそれらを救えない。」それは唸った。「ルミナは俺のものだ。」
シェリルは拳を握り締めた。「いいえ。」
そして彼女は歌った。
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IV. 最後の音符
彼女の声は純粋で力強く、夜の稲妻のように高らかに響いた。輝く真珠は光のシャワーとなって爆発し、彼女が歌う一つ一つの音符が闇に対する武器となった。怪物は叫び、霧の糸に分解され、最後の息とともに消え去った。
シェリルが再び目を開けると、彼女はルミナの晴れ渡った空の下、路地に戻っていた。彼女のメロディに目覚めた住民たちは、涙と感謝の輝く目で家から出てきた。
「ありがとう、収穫人」彼らは口をそろえて言った。
シェリル——ヴァレンティーナ——は微笑んだ。彼女は今、理解していた。彼女は単なるコスチュームに迷い込んだ若い女性ではない。彼女は夢の守り人、失われた星の歌い手なのだ。
そして彼女のおかげで、ルミナは輝き続けるだろう。
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エピローグ:二つの世界の間
ヴァレンティーナがパリの自分のベッドで目を覚ますと、彼女は最初、夢を見たのだと思った。しかし、自分の手を見ると、輝く真珠の残像のようなかすかな金色の輝きがあった。そして彼女の心の中では、まだメロディが柔らかく、しかし執拗に響いていた。
彼女は微笑んだ。
「またね、ルミナ。」
そして彼女は目を閉じ、世界が彼女を必要とした時、すぐに戻れるようにした。
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